校正・校閲の仕事はつらい？将来のキャリアプランを解説

校正・校閲の仕事内容をジャンル毎に分ける

書籍の校正・校閲

書籍の校正にはいくつかの工程があります。

まず元の原稿と用意された原稿を比較して、
誤植などがないか照合する作業からはじまります。

さらに原稿自体のミスを見つけるのに
誤字脱字や表記のゆれをチェックする「素読み校正」を行います。

書籍の校閲は、まず校正が完了した紙(ゲラ)の誤字脱字がないかをチェックします。
次に文章の内容に踏み込んで事実関係や情報の正しさをあらゆる角度から確認します。
その事実確認の結果を編集者や著者に指摘して、再確認や書き直しを提案します。

このようにゲラを読んで、
状況描写について指摘をするのも校閲者の仕事です。

ときにはイラストを交えて、著者に再確認します。
書籍は文章だけで読者に内容を伝えるので、的確な表現が求められます。

校正者や校閲者は、文章が読者に伝わる表現になっているかどうかチェックします。

雑誌の校正・校閲

雑誌は記事を書くのがそれぞれ異なるライターですが、
雑誌として均一なトーンになるように整合性を考えているそうです。

そのため記事にライターの個性が出過ぎているのも良くないとか。
雑誌の校閲の工程もまた書籍と同じです。
しかし雑誌の校正同様、校閲する際の視点が書籍とは違うようです。

雑誌の校閲の場合は、
想定する読者層と言葉や表現のズレがないかどうか考えながら校閲しているそうです。

私たちが読む雑誌の内容がより魅力的に感じるのは、こうした校正者や校閲者がいるおかげなのですね。

ウェブの校正・校閲

ウェブ文章の校正は元原稿と作成中原稿の照合作業がなくなるだけで、他の工程は同じです。

また校閲の工程は書籍や雑誌と同様で、事実関係や情報の正しさを確認する作業をしています。

ウェブの校正・校閲共に視点としては雑誌寄りです。
校正ではライターの個性よりも、掲載されるウェブ媒体のトーンに合うように整合性を考えるという視点で行います。

校閲は想定する読者層と言葉や表現のズレがないかどうかという視点で行います。

ウェブは書籍や雑誌と異なり、間違いがあっても訂正がすぐにできますが、一旦公開してしまうと拡散のスピードが早いという点もあるので、よりいっそう慎重な校正・校閲が求められます。

校正・校閲は未経験でも始められる？

重宝される資格：校正士・校正技能検定

校正の知識があると思われるから。

これらの資格は必須ではありませんが、取得していると、
校正に必要な知識があると評価してもらえます。

未経験でも校正の知識があるとして重宝されます。
未経験の方はまずこれらの資格を取得して、校正の知識を深めるのもおすすめです。

校正・校閲で重宝される資格は、校正士・校正技能検定です。

重宝される経験：元教員

一般的な教養知識があると思われるから。

特に国語の教員をやっていた人は、正しい日本語の表現に精通してるとして重宝されます。
それ以外の教科の担当でも、校正・校閲で知識をいかせます。

例えば校正・校閲している小説内で歴史的な事件の話題になったとき、その事件の表記や事実関係が合っているかどうかなど、教員時代の知識をいかせる場面があります。

元教員という資格は、校正・校閲で重宝されます。

必要なスキル：長時間集中できる

校正・校閲は長時間集中してやらなければいけないから。

校正・校閲の仕事は多くの量の文章を長時間集中して読みこんで、間違いを探さなければなりません。

どの箇所に間違いがあるかどうか、あらかじめ校正者や校閲者には分かりません
それだけに長時間集中力を持続させて読む必要があります。
なので校正・校閲には長時間集中できるというスキルが必要です。

必要なスキル：分からないことはうやむやにしない

校正・校閲は、はっきりしないことや分からないことがあってもきっちり調べて正しい表現をするよう訂正しなければならないから。

校正・校閲の仕事は、文章が正しい表現になるように訂正することです。

校正者や校閲者でも知らないことはあるかもしれませんが、
うやむやにせずきっちり調べなければなりません。

このように校正・校閲には、分からないことはうやむやにしないスキルが必要です。

校正・校閲業務の口コミ

校正は知識だけではなく、
「自分が知らない」ことを自覚して調べることができるかが大事というポストです。
自分の知識を過信してこれは正しいだろうと思い込まないで、都度調べることが苦でない人が校正に向いているのでしょうね。

校正者は知識があったほうがそりゃいいけれど、それより大事なのが「自分は知らない」ことを自覚して調べられるかだと思う。 校正はテストじゃないから暗記力がなくてもなんとかなる。 知らない言葉や表現、物事に出会ったときに調べようと思えるか 具体的な調べる方法を知っているか 複数の情報にあたる根気を持っているか 複数の情報から最適解のあたりをつけられるか それを伝えられるか

引用元：https://twitter.com/tsukiinet/status/1710193810217881719?s=20

文章の些細な間違いも残さず正すのが校正の仕事です。
文章のたった一つの間違いが信頼を損ねることも大いにあるので、校正者の責任は重大です。
そして1人のチェックでは限界があるので、できれば複数人のチェック体制があるのが望ましいです。

昨日は、とある印刷物の校正。編集プロダクション勤務時代からの習慣で、自分が関わった文章だけでなく、つい全体をくまなくチェックしてしまう。すると一か所、めちゃくちゃ細かい数字の中に違和感を感じる箇所が。余計なお世話と思いつつ連絡すると「ああ、これはマズイね！　見落としてた！　助かった！　ありがとう！」ととても感謝された。みつけてよかった。言ってよかった。

引用元：https://twitter.com/liseron100/status/1712929480975749488?s=20

校正としては間違いだと思った言葉でも、
著者にとっては意図があって使った言葉だということもあります。

しかし校正の仕事は間違いを指摘する仕事なので、そのまま放置することはできません。
著者が意図的に使った言葉なのか、それとも間違いなのか、その判断を著者や出版元に委ねるのもまた校正の仕事です。

間違いを指摘するのが校正の仕事ですが、そういった判断を臨機応変にするのもまた校正の仕事です。

何度でも言わねば。 「正解の基準」は著者が決めることで、校正が勝手に判断はできません。 元ポストで言えば、意図した「花向け」か、単に間違ってそう書いたか、校正側はわからないので指摘するしかないのです。 同様に、編集にしろ校正にしろ「勝手に間違いとして直す」のは越権行為だと思います。

引用元：https://twitter.com/kouetsu_tweet/status/1699392680646853073?s=20

校閲の仕事をしていると読書を楽しめるのだろうかと思いますが、
誤字脱字を見かけると気にはなるようです。

それだけ日頃から感覚が研ぎ澄まされているということですね。
私たちが何も考えずに読書を楽しめるのは、校正者や校閲者がいるおかげなのだということを実感させられます。

校閲の仕事をしてるとプライベートで文章読むときも校閲しちゃうんじゃないですか？と言われると、そういうことは特にないです。ほとんどの場合は。 ただ、たまたま誤字脱字を目にすると、私の目の中というか脳内というかで見えない校正記号が勝手に浮かび上がります。

引用元：https://twitter.com/aka_64_neku/status/1688897408145764352?s=20

校正・校閲を仕事にするための準備をする

紙原稿でのチェックの場合もありますが、
データでのやり取りという場合やウェブの文章のチェックの場合もあるので、PCとネット環境は必要です。

自宅でも同様です。
中にはiPadやペンタブレットを活用して校正・校閲する人もいます。

校正・校閲業務の【やりがい】と【将来のキャリアプラン】について

校正・校閲のやりがいとは

校正・校閲のやりがいは、自分が担当した媒体が無事に世の中に出たときや言葉の知識が広がったときに感じられます。

長時間かけて担当した媒体が無事に世の中に出たときには、
自分の仕事が実になったというやりがいを感じられます。

また校正・校閲のやりがいを感じるのは、その過程で新たに知識が広がったときです。
自分の知らない日本語表現などを知ったときに、校正・校閲ならではのやりがいを感じるようです。

校正・校閲で働く人のキャリアプランを知る

会社の場合は入社して経験を積んで、
リーダーやマネージャーといった管理職へのキャリアアップがあります。

また会社で経験を積んだ後にフリーランスになる人もいます。

会社だと決まった媒体の校正・校閲しかできない場合もあるので、フリーランスになって様々な媒体やジャンルの校正・校閲を手がける人もいるようです。

校正・校閲の平均年収は？報酬形態は？

平均年収について：
　校正の平均年収は307万円です。
　校閲の平均年収412万円です。

校正・校閲の報酬形態について：会社の場合は月収制、フリーランスの場合は１文字いくらというような文字単位での報酬になるようです。

〇校正
時給にすると：校正　750円～3,635円
平均年収の最低額が180万円で手取りが147万円になり、月収が約12万円で時給は750円です。
平均年収の最高額は986万円で手取りが707万円となり、月収が約58万円で時給は3,635円です。

〇校閲
時給にすると：校閲　1,188円～2,938円
平均年収の最低額が289万円で手取りが231万円となり、月収が19万円で時給は1,188円です。
平均年収の最高額は753万円で手取りが564万円となり、月収が47万円で時給は2,938円です。

校正・校閲はこんな人におすすめする

読書が好きな人
校正・校閲は読書が好きな人におすすめします。
大量の文章に接する仕事なので、文章を読み慣れているほうが仕事が進めやすいです。

また読書を通してきちんと校正・校閲された文章を読むことで自然と正しい日本語表現が身についているので、それが自身のときにもいかされます。

正しい日本語表現を知識として暗記するのは大変なので、自然に身についているのは強みになります。

細かいところによく気がつける人
校正・校閲は細かいところによく気がつける人におすすめです。
どんな些細な間違いも見逃せないのが校正・校閲の仕事。

普段SNSを見ているときやメッセージを送受信するときに、自然と自分や相手の言葉の間違いに気づける人におすすめです。

また間違い探しで細かいところも見逃さずに確実に間違いを探せる人も、校正・校閲に向いています。

地道な作業が得意な人
校正・校閲は地道な作業が得意な人におすすめです。

文章に誤字脱字や表記のゆれ、事実関係に矛盾がないかどうかじっくりチェックするのは地道かつ集中力が必要な作業です。

校正は一言一句誤字脱字や表記のゆれを、校閲は文章の内容の事実関係をチェックして、どちらもコツコツと地道にしていく作業です。

校正・校閲は地道な作業の積み重ねが形になる仕事なので、そういった作業が得意な人に向いている仕事です。

校正・校閲の求人を出している企業とは？

社名：株式会社Leo Sophia Group(レオソフィアグループ)
住所：東京都目黒区東京都目黒区下目黒1-8-1　アルコタワー17階
企業HP URL：https://leosophia.co.jp/
従業員数：非公開
資本金：5,000万円
〉条件
雇用形態：フルタイム、パートタイム
報酬：未経験者 時給1,120円～1,410円、経験者 時給1,113円～1,400円
仕事内容要約：データ入力や編集者・校正・ライター・コピーライター、Webディレクターを担当します。

求人掲載先：バイトル

社名：株式会社クオキャリア
住所：東京都豊島区南大塚3-46-3 いちご大塚ビル 6F
企業HP URL：https://www.quacareer.co.jp/
従業員数：非公開
資本金：非公開
〉条件
雇用形態：正社員
報酬：年収350万円〜
仕事内容要約：歯科業界に特化したメディア「クオキャリア」の紙・サイト両媒体の校閲を担当。また外部ライターへの発注や原稿チェックをします。

求人掲載先：en転職

社名：株式会社メディア・プラン
住所：東京都千代田区西神田1-3-6　ゼネラル神田ビル６階
企業HP URL：http://www.media-plan-tokyo.co.jp/
従業員数：非公開
資本金：1,000万円
〉条件
雇用形態：パート
報酬：時給 1350円
仕事内容要約：自社発行の医療・看護に特化したフリーペーパーの進行管理や編集業務を担当します。
進行管理では自社媒体に掲載するクライアント原稿の校正窓口になります。
編集では企画立案からスケジュール作成、取材調整、同行、原稿整理、デザイン発注、校正、入稿まで行います。

求人掲載先：アルバイトEX

社名：ログミー株式会社
住所：東京都港区北青山3-6-7 明治安田生命青山パラシオ 4F
企業HP URL：https://logmi.co.jp/
従業員数：非公開
資本金：非公開
〉条件
雇用形態：正社員
報酬：350〜450万円
仕事内容要約：自社が運営する、上場企業の決算説明会を全文書き起こしで即時公開するサービスの以下の業務を担当します。

・誤字脱字、表記統一チェック
・聞き取り不明箇所の確認
・人名や商品名、サービス名などの事実確認
・会場での録音、撮影（取材なし）
・記事タイトル作成
・ツールへの入稿作業　など

求人掲載先：EX転職